名古屋競輪の「スポーツニッポン杯・サテライト一宮カップ(FⅠ)」は23日、12RでS級決勝戦が行われ、最終的に逃げた志田龍星の番手にはまった菅田壱道(36=宮城)が直線伸び勝って今年4回目の優勝を飾った。2着は福田知也、3着は志田。11R・A級決勝は鈴木薫(23=東京)が単騎捲りで独走Vを決めた。
想定とは違う初手の並び。前から窓場―藤田、小笠原―菅田―福田、志田―岡本で周回する。後ろ攻めを選択した志田が打鐘から抑えて駆ける展開となったが、小笠原は志田の至近距離に終始絡む気迫の走り。結果的に小笠原は叩けず力尽きたが、そのバトンをしっかりと受け取った菅田が最終2角で追い上げる。小笠原が岡本に絡み、最終3角で菅田は逃げる志田の番手を確保する。直線で伸び勝ち、今年4回目のVゴールを決めた。
「(小笠原)光君が前々に攻めてくれたおかげ。最後も内を決めてくれたから番手に入ることができた。光君の気持ちに応えることができて良かったです」
今年2月の西武園Vの時と同じく、頼れる後輩の走りを大絶賛した。
前橋の寛仁親王牌では新田祐大がグランドスラムを達成。菅田もレース後にそれを確認した。
「ふがいない失格(2月の誘導員早期追い抜き)が原因で今は目の前の一戦を精いっぱい走ることしかできないけど、来年は必ずGⅠの舞台に戻って、また新田先輩たちと走りたい」
FⅠやGⅢでの積み重ねが必ずその道を開く。次走は来月7日からの富山FⅠに登場。引き続き注目だ。(岡田 光広)
◇菅田 壱道(すがた・かずみち)1986年(昭61)5月9日生まれ、宮城県出身の36歳。91期生。09年6月の久留米60周年記念でS級&GⅢ初優勝。GⅠは19年日本選手権、21年寛仁親王牌で2度の表彰台(いずれも3着)。1㍍73、73㌔。血液型A。